注意は、一つの物体をコードするニューロン連合の活動を高めると同時に、もう一方の競合するニューロン連合の活動を抑制する。
注意は意識にとって必要ではない。
顕著度に基づいた注意の制御は常に行われているから、一瞬間の視覚意識を引き起こすような神経活動は自動的に生じる。それに注意が向けられなければ、すぐに消えてしまう。
50㍉秒といった時間幅では、知覚としてそれぞれの属性はバラバラのままである。
注意を向けたものが意識され、注意を向けていないものは、ほとんど意識されない。
注意には、
1)ニューロンによる明示的(意識に至っている)な表現を持たない物体の特徴を動的に結びつける機能と、
2)多数の物体や出来事が同じネットワークの中で表現されようとするときに生じる競合を解決する機能がある。
注意機構は、正確な発火の時期を調節する役割も担う。トップダウン注意が向けられた領野のニューロンどうしの同期的発火が増強される。
知的障害・発達障害児における実行機能に関する脳科学的研究 プランニング・注意の抑制機能・シフティング・ワーキングメモリ・展望記憶
- 作者:橋本 創一
- 発売日: 2020/03/11
- メディア: 単行本