脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

2020-11-13から1日間の記事一覧

「主体感覚」、「所有感覚」は脳内で作られる

以前に「自己に障害を持つ統合失調症」について述べたが、活動の所有感覚を得るのに、運動の計画や意図は必要ない。活動の主体感覚は、活動計画が感覚のフィードバックと一致したときに得られる。活動の所有感覚(「これは自分の行為だ」)は、運動性の活動(運…

自意識が起きあがって見る明晰夢

「明晰夢」では、 1)夢で経験する知覚(記憶情報から構成される感覚情報)と、 2)起きているときの正常な注意力、自己認識、内省、意図、動機、記憶(一言で言えば、前頭前野の動き)が合体する。つまり、2)起きているときの正常な注意力、自己認識、内省、意図…

自己に障害を持つ統合失調症

「統合失調症」は、基本的には「主体感覚」と「所有感覚」の有無を表す自己の障害である。所有の感覚や主体の感覚が停止し、その結果、経験も変容する。これは自分自身の知覚であり、情動であり、思考であるという所有感覚が失われる。この行為は自分自身で…

早く成熟する扁桃体

扁桃体の中で、戦う反応、逃げる反応、固まる反応を担当する部分はそれぞれ異なっている。 刺激に対する敏感さも異なる。扁桃体は脳の中でも早く成熟する器官で、生まれた瞬間からもう機能している。心配性の母親から、胎盤を通じて大量のストレスホルモンを…

どの階層の情報が意識に入るのか

第一次視覚野と第二次視覚野のニューロン活動は、意識している内容ではなく、網膜に映されている内容のみによって決定される。つまり、意識内容ではなく網膜刺激を反映する。 第四次視覚野では、約40%のニューロンは、知覚に伴って発火頻度を変化させる。 下…

脳が判定にかかる時間

自然風景写真の中に動物が含まれていたかを反応するのに、0.5秒以下で行える。この反応は意識が行っているのではなく、無意識的な反応である。 脳内では150㍉秒程度で判定している。網膜から第一次視覚野に信号が到達するまでに、35㍉秒かかる。 ニューロン…

意識的学習から無意識的習慣へ

意識的に学習する初心者の段階では、後頭頂葉、前頭前野内側部の神経回路が、大脳基底核と小脳と連絡を取り合いながら、学習を起こして上達していく。 学習が完了すると、前頭前野は役割を終えて、代わりに、線条体や大脳基底核が、ある目的を達成するための…