脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

注意の転換に関わる脳部位

実験で注意を向けることを要求された手がかり刺激が提示されると、
1)頭頂葉の下部(下頭頂葉)
2)前頭前野背外側部
3)視床
に活動が現れる。

ところで、下頭頂葉視床枕は、それぞれ直接に(刺激が表示される)初期視覚野と結合している。

前頭前野背外側部は、下頭頂葉視床枕を介して間接的に初期視覚野を制御する。
つまり、階層的に、前頭前野背外側部⇒下頭頂葉視床枕⇒初期視覚野
その内で、頭頂葉に損傷を生じると、注意を対象物に向ける補足よりも、注意の解放(切り替え)に問題を生じる。

なお、注意の転換には、今向いている注意を
1)解放して、
新しい対象へ2)移動させ、
それを3)補足するという三段階がある。

その内で、
頭頂葉は、前の注意場所(物体)から注意を解放することに関わり、
視床枕は、新しい場所(物体)に注意を補足し集中することに関わる。

参考資料→(私のブログ)「二種類の注意」
参考資料→(私のブログ)「競合に勝ったものだけが生き残る」
参考資料→(私のブログ)「頭頂葉の損傷で失認する」
参考資料→(私のブログ)「帯状回、特に帯状回前部と能動・注意・努力」
参考資料→(私のブログ)「背外側前頭前野の障害がもたらすもの」