脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

言語の起源はどこにあるのだろうか

霊長類(例えば、チンパンジー)は、「事物と記号との対応」はとてもよく学ぶが、記号を文法的に配列するのは不得意である。

逆に、鳥は、さえずる歌にはある種の「文法構造」があるが、それぞれの分節された音声は特に意味を持たない。

鳴くサルとして知られる「バーベットモンキー」は、三種類の天敵、タカ、ヘビ、ヒョウに対して、それぞれ異なった声を上げて、互いに危険を知らせ合う。
つまり、霊長類と同じように、「事物と記号との対応」を持つ。

ところで、小鳥やクジラの歌は、
1)異性に対しては「求愛」、
2)同性に対してはライバルけん制(「縄張り主張」)の機能を持つ。

小鳥の「ジュウシマツ」は、雄のみが歌い、雌は雄の歌に基づいて繁殖相手を選ぶ。

より複雑な歌を歌う雄の方が、そうでない雄よりも個体として高い資質を持っている。
歌には、
1)種認識のための信号という機能と、
雌に2)自分の資質を誇示する機能とがある。

人間の言語は、小鳥のさえずりのように「文法構造」を持ち、サルや類人猿の鳴き声のように「事物と記号との対応」をも持つ。
また、小鳥のさえずりは雄のみが歌う。

人間の言語と共通の特性を持つ鳴き声を発する動物を見つけ出すのは困難なようだ。