脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

階層的な情報処理

脳は、断片的・要素的な情報から、複雑な総合的・統合的な全体像を形成してゆく。

体性感覚野の内部では、1野から2野へと後方に移るに従って、ニューロンの受容野(例えば、指一本から手全体へと)は広くなり、反応特性が次第に複雑になってゆく。

後方の頭頂間溝前壁部では、触っている物や場所に関連した視覚刺激が介在して、反応性が変化するさまざまなニューロンが混在する。

そこでは、「注意が向けられている場所を示す」というような心理的状況によって影響を受けるニューロンも存在する。

このように、手に関する体性感覚情報は、前頭頂葉において後方に向かうに従って、逐次情報の統合的で階層的な情報処理が進んでいく。

その結果、頭頂連合野の入り口では、具体的な手の機能的な形の表象を作るために、視覚情報との統合の準備が整いつつあるという段階にまで到達する。

参考資料→(私のブログ)「階層構造的反射」
参考資料→(私のブログ)「階層構造的学問体系/物理学⇒化学⇒生物学。」
参考資料→(私のブログ)「脳の階層構造」