脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

時間概念を作り出す機構

「時間の流れ」(時間が流れている)という概念を作り出す機構は、「ドーパミン」という神経伝達物質を主な燃料としている。

空虚ではなく、可能性に溢れているが、時間が失われた(止まっている)感覚は、瞑想で超越の段階に達した人からも伝えられている。

興奮性の神経伝達物質が勢いよく放出されると、主観的な時間が加速して、その結果、相対的に外界の出来事の進みが遅く感じる。

生命が危険にさらされたり、激しく興奮したときには、過去も未来もとりあえず放って今の瞬間に集中する。

ドーパミンが大量に分泌されると、脳時計の進みが速くなり、周囲の時間の流れが遅くなり、スローモーションを見ている感覚になる。

逆に、ドーパミンが切れると、時間サイクルが遅くなり、主観的時間が遅くなり、周囲の出来事の動きが加速して感じられ、そのことによって無気力やうつ状態になる。

脳時計は、ドーパミンを作る「黒質」と、「大脳基底核」と、「前頭前野」のループ(回路)とを信号が一周する時間が、時間単位(通常は0.1秒)である。

その間に起こる神経活動はすべて同一の出来事として経験する。