脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

記憶が形成固定される過程

休憩中やうとうとすると、アセチルコリンの濃度が薄くなり、海馬から皮質への経路が往来自由になる。
そうなると、海馬では記憶を符号化する役目の神経細胞が活発になる。

海馬の記憶を符号化する神経細胞が活発になって、外界を監視する神経細胞をしのぐと、記憶パターンが皮質に送られて、照合が行われる。

これは外向(外界を監視)から内向(記憶パターンの照合)への転換である。

眠りが深くなると、海馬にとりあえず置いてある最近の記憶を整理して、まとめ上げる。

海馬が睡眠中に皮質に戻した記憶予備パターンによって、皮質にあった痕跡が同調して発火する。
それによって記憶痕跡が確かな記憶へと定着して長期増強される。

レム睡眠時ではアセチルコリンの濃度が再び高まり、海馬からのフィードバックが抑制される。逆に、ノルアドレナリンの分泌がない。

起床中は、皮質にある記憶保管の領域からのフィードバックをノルアドレナリンが抑制する。

レム睡眠時にはノルアドレナリンの分泌がなくなり、皮質にある古い長期増強記憶が皮質に流れ込んで、新しい記憶と統合される。
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