脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

感情とはヘーゲル弁証法の反である

「闘争反射」のようなものがそのまま遂行されてしまえば、「感情」は起こらない。

「感情」とか「欲望」は、「反射」が抑えられたときに生まれる意識である。

つまり、下位階層の機能に、ブレーキをかけたときに、意識が立ち上がる。

そういう反射が強制的言語系などで抑えられているとき、つまり、身体の方には戦かわんかなの変化が起こっているのに、実際は戦わないときに、その「中途半端な身体変化の信号」が感情を作り出す。

つまり、反射という下位の機能を抑えて、しかも今だ、それに対する行動を取っていないときに、それよりも高次の機能である「感情」とか「欲望」とかが「意識」にのぼる。

さらに、「感情」とか「欲望」とかの下位の機能をを抑えて、しかも今だ、それに対する行動を取っていないときに、それよりも高次の機能である知性が「意識」にのぼる。

「意識」とは、下位の機能の実行を抑えたときに、次の実行を準備する「受け皿」、「まな板」(ワーキングメモリー)としての役割を果たす。

これはヘーゲル弁証法であり、正⇒反⇒合の内の、「正」に対して「反」を申し立てると、「意識」が立ち上がり、その中で「合」が組み立て(止揚)られて、実行に移される。

゜脳―行動のメカニズム (知的生きかた文庫)」(by千葉康則from三笠書房)から抜粋引用と私の見解の付加。