脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

エントロピーは常に増大するとは

熱力学第二法則は、エントロピーは常に増大する、という。
放って置くと、物事はすべて確率の高い状態に向かってゆく(ガウス関数正規分布)。
沸騰したやかんを寒い部屋に放置すると、部屋は少し暖かくなり、やかんはさめる。つまり、熱は可能な限り平均化される方向に向かう物理量である。

私は、「エントロピーは常に増大する」の意味を勘違いしていた。これを無限大に拡散していくというイメージとして捉えていた。

しかし、「エントロピーは常に増大する」は、実際には、情報量がゼロに向けて収束していく、可能な限り平均化される方向に向かう、つまり、すべてが一様になる方向へと進むことである、
例えで言えば、オセロゲームで、すべてのコマが一つの色(例えば、黒)になってしまうことである、あらゆるものの個性が完全に消えてそこには何ら違い(この「違い」こそが情報である!!!!)が消滅してしまうことである。

エントロピーの最大値は、ある系でのあらゆる「違いがゼロ」になった点である。

生物とは、この違いを検出して、それに対処しようとする。

「脳の方程式いち・たす・いち」(by中田力from紀伊國屋書店)から抜粋引用し、私的意見を添えています。

いち・たす・いち (脳の方程式)

いち・たす・いち (脳の方程式)

  • 作者:中田 力
  • 発売日: 2001/09/01
  • メディア: 単行本