脳情報発信所

過去に、gooブログに書いた記事を移植したものです

昼寝の効用とコーヒーの効果

下の文章は、「「1時間半の昼寝は1晩分の効果」、睡眠の新発見続々と 米国 国際ニュース : AFPBB News」からの引用である。
注)一部分加筆している。

1)「高齢者」では「睡眠時間が長い」ほど記憶が維持される。
「若年者」では睡眠時間あたりの「眠りの深さ」、つまり睡眠効率が記憶のパフォーマンスを左右した。

2)年を取るとともにこの睡眠効率が下がり、「入眠後覚醒」のないぐっすりした眠りはまれになり、「真夜中に起きたり、途中で何度も起きたりする」。
こうした睡眠パターンでも、「高齢者だと翌日の脳の働きには影響が出ない」が、「若年者では明らかに鈍くなる」。

3)昼寝と夜間の睡眠効果を視覚学習効果などを比較して調べたところ、
「1時間半の昼寝」は、「1晩分の睡眠に等しい効果」を示した

4)「濃いダブルエスプレッソ」を飲んでも、「20分の昼寝」の効果にはかなわない。
注)つまり、眠気が襲えば、逆らわずに短時間の昼寝を取れということである。

5)「感覚情報に基づく知覚に関する記憶」では「カフェインも昼寝同様の記憶効果」を発揮する。
「海馬で処理され意識的な操作が可能な記憶」、例えば単語や電話番号、名前を覚えたりといった「顕在記憶」は、「カフェインを摂取するとかえって悪くなる」。

Newton別冊『睡眠の教科書』

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性同一性障害と分界条床核の大きさ

1)「性同一性障害:中1女子が男子として通学へ」=from"毎日jp(毎日新聞)"

2)「質問なるほドリ:性同一性障害って、どういうことなの?=回答・丹野恒一」=from"毎日jp(毎日新聞)"
「体の性別と心の性別が一致せずに悩むこと」

性同一性障害の「原因としてはさまざまな学説がありますが、まだはっきりとは解明されていません」。

「人間は、自分の性が何であるかを意思とは無関係に認識している。多くの場合は無意識に確信していて、その認識を他人の強制や自らの自由意思で変えることはできない」

「身体の性とも染色体型とも別個に「自己の性に関する確信」が存在する」

性自認がどのようにして定まるのかについて
1)「後天説は「生まれたときには人間の性自認は中性である。生まれてから自分の身体の性を認識することと、周囲からその性に応じた扱いを受けることにより男女いずれかに分化する」というものであり、

2)先天説は「脳の中に性自認を形作る仕組みが存在し、先天的に決定されている」というものである。」

その内で、「先天説が有力である」。

「男性と女性は生まれつき脳の構造が一部異なっていることが判明した。
例えば、人間の性行動に関わりの深い分界条床核の大きさを調べると、男性のものは女性のものよりも有意に大きい」

引用from「性自認」(Wikipedia)

孤独な人は、デフォルトモードネットワークが大きいかも?

「孤独な人は「内なる声」と会話するため脳に特徴があることが判明」から引用する。
「自分は孤独であると答えた人は、「 デフォルトモードネットワーク」と呼ばれる脳領域のいくつかが、孤独ではないと答えた人に比べて大きい」
「デフォルトモードネットワークは自己認識や記憶に関係する部位といわれており、人が内省したり何かを想像したりする時に活性化する」

脳のネットワーク

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学ぶ脳――ぼんやりにこそ意味がある (岩波科学ライブラリー)

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一流の頭脳

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注意と意欲の神経機構

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脳は1つのことにしか集中できない

「スウェーデンの天才が語る「スマホ」真のヤバさ ポケットに入っているだけで集中力がそがれる」からの引用。「同時に複数の業務を処理していくマルチタスクは仕事の生産性が高まる理想の働き方のように思える」
スウェーデン精神科医アンデシュ・ハンセン氏によれば、人間の脳は本来的に1つのことにしか集中することができず、マルチタスクに向いていない。複数の作業を同時にこなしていると思っていても、実際にやっていることは作業の間を行ったり来たりしているだけ」
マルチタスク派の方が、集中が苦手だという結果が出た。それもかなり苦手だという。中でも、重要ではない情報を選別し、無視することができなかった。つまり、何にでも気が散るようなのだ」
自分を操る超集中力
ヤバい集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45
最強の集中力 本当にやりたいことに没頭する技術
集中力

プログラムのコードを読む時に活性化される脳の領域は何処だ

「プログラムのコードを読む時に活性化される脳の領域は言語処理と同じではない」から引用。
1)「コードを読む時に活性化する脳の部位は、言語処理に使われる領域と一致しない」
2)「被験者がコードを処理する際に、言語領域がほとんど反応しておらず、代わりにmultiple demand networkと呼ばれるネットワークが活性化する。
multiple demand networkは、脳の 前頭葉頭頂葉全体に広がっており、一度に多くの情報を必要とするタスクやさまざまな精神的タスクを実行する能力を担っている」
「数学や論理の問題が、左半球のmultiple demand networkを活性化させる」
今回は、「左半球と右半球の両方でmultiple demand networkが活性化した」

脳研究と分子生物学との関わり

遺伝子の転写や翻訳、DNAの複製や修復、細胞周期、細胞内シグナル伝達などの細胞レベルの研究から、
細胞間接着、発生、神経の機能、遺伝病の原因解明等、生命を研究対象とする殆ど全ての生物学は「分子生物学」の対象であり、
生命現象を分子を使って説明(理解)することを目的とする学問である。

現在では、脳、再生、免疫、癌などに研究対象が広く拡大しており、21世紀の現在、生物学の主流ともいえる。

分子生物学的研究では「素材の分子がすべてわかった」としても生物を「理解した」ことにはならないとの批判もあった。
中でも、発生や脳などの研究分野においては分子生物学による解明が遅れたために、その批判が特に激しかった。

しかし現在では、脳のように細胞間連絡のようなマクロ構造や電気的情報処理が重要な研究対象の機能解明についても、分子生物学的なアプローチが不可欠である。

神経解剖学、神経生理学、脳機能画像研究などで分子生物学的手法に基づく成果が多く出ている。

注)上記の文章のほとんどは、「分子生物学」(fromWikipedia)から抜粋引用である。

基本がわかる 分子生物学集中講義

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細胞の分子生物学 第6版

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休み時間の分子生物学 (休み時間シリーズ)

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ワトソン遺伝子の分子生物学 第7版

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能力(脳力)は潜在する

人間も犬やウサギ並みの嗅覚能力を持っている。能力は退化したのではなく、ただ眠っているだけである。

イヌ その秘められた力 (吹替版)

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体性感覚野での脳梗塞

脳卒中患者だった理学療法士が伝えたい、本当のこと

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脳梗塞で、体性感覚野が局部的に破壊されると、ペンや箸が持てない、ボタンを留められない、ポケットの中のものを取り出せないなどの症状が起こる。
改訂版 脳梗塞に負けないために 知っておきたい、予防と治療法

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体性感覚と視覚の情報が統合

5野では両手の情報が統合され、7野では体性感覚と視覚の情報が統合される。

人体スペシャル 脳の地図帳

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  • 作者:原 一之
  • 発売日: 2005/01/20
  • メディア: 大型本
脳地図を書き換える

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体性感覚野とは


体性感覚を大別すると、
1)皮膚感覚と
2)深部感覚に
分けられる。

深部感覚は、位置感覚、動き感覚、力と重さ感覚として感じられる。
例えば、皮膚感覚として、人の手指のひら(腹)側には、機械的受容を受け持つ有髄神経が、1万7000本あり、さらにそれぞれ1本ずつには4~17個の受容器がついている。

ところで、体性感覚野は、前頭葉頭頂葉の間にある中心溝の後方、中心後回にある。

一次体性感覚野はブロードマンの3野、1野、2野からなる。
その内3野は更に、3a野と3b野に分けられる。
3a野へは深部感覚が入力し、3b野へは触圧覚が主に入力する。

皮質ニューロンと受容器は点対点の対応ではなく複雑な対応関係にある。体性感覚野でも高次の情報処理が行われている。

故に、体性感覚野は、場所によっては皮質ニューロンと受容器は点対点の対応ではない。従って、単純な体部位再現図が描けない。さらにコラム構造がない。

右図=借用from「運動野と体性感覚野」