視覚野は六層の層状構造で構成されている。
視覚情報はまずその内の第四層に入り、そこから表層と深層へと送り出される。
表層からは上位の連合野に信号が送られ、深層からは下位の視覚系(眼球運動の調節など)にフィードバックされる。
視覚野の六層の層状構造での各層における「長期増強」の強さに違いがある。
1時間の電気刺激によって長期増強を作り出すと、
第四層は2倍に増え、第二層と第三層では約6倍に増えたが、深層には変化がなかった。
それだけではなく、長期増強の起こり方は層によって違いが見られる。
第四層は、刺激後1時間で増強が起こり、2~3時間で最大になり、やがて減少する。
第二層と第三層は増強が始まるのが遅いが、強度も持続時間も何倍も大きく、15時間後も持続している。
視覚野の六層の層状構造で、外側膝状体から入力がある第四層は「有棘星状細胞」で、第二層と第三層は「錐体細胞」である。
有棘星状細胞は余り可塑性がなく、錐体細胞は可塑性が大きい。
ということは、皮質外からの入力部である神経細胞(有棘星状細胞)の骨格部分は、初めから生得的に配線されている。
だが、皮質内部の、細胞(錐体細胞)と細胞の間の配線は可塑性に富み、生後の経験によって新しい配線が敷設されていき回路網が出来上がる。
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