自発的な運動の型を生成する「補足運動野」と、刺激に誘発された運動の型を生成する「運動前野」は、信号を運動野に送り、運動野は、脳幹や脊髄に指令を出す。
信号の流れ=「補足運動野」/「運動前野」(「大脳基底核」が補佐する)⇒「運動野」⇒「脳幹や脊髄」
(「補足運動野」/「運動前野」と「大脳基底核」の関係は、外向(対外折衝)的役割の社長に対する、内向(事務)的な副社長)
その時、小脳は、「運動野と脳幹や脊髄」のやり取りの間に入って、目で見て耳で聞いて確認できる目標と、実際の運動との誤差をはじき出して、その差分だけ運動を修正する。
この小脳の働きによって、最初はぎこちなく失敗しがちな行動が正確にスムーズになってゆく。
最初はぎこちなくても、練習を積むことによって、正確にスムーズな行動が取れる。その後は、自分がするという意識を取り去って、無意識に委ねる冷静さと集中力とが決め手となる。
計算論的神経科学: 脳の運動制御・感覚処理機構の理論的理解へ
- 作者:田中 宏和
- 発売日: 2019/06/14
- メディア: 単行本